算数で「和・差・積・商」とは何を表す言葉か?
和とは、足し算の結果のことを指します。例えば、1と2の和は3です。
差とは、引き算の結果のことを指します。例えば、3と2の差は1です。
積とは、掛け算の結果のことを指します。例えば、2と3の積は6です。
商とは、割り算の結果のことを指します。例えば、6と3の商は2です。
ただし、割り切れない場合は割り算の結果を商と余りで表します。
(割られる数)÷(割る数)=(商)…(余り)
または
(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り)
と表します。例えば、5と2の商は2で余りは1です。
※算数の範囲ではこの理解でいいと思いますが、数学になると商をどの数の集合で扱うかによって表し方が変わります。例えば、商を実数または有理数の集合で扱う場合には、5と2の商は2.5または\(\frac{2}{5}\)です。
和とは、「足し算のこと」のように似たようなニュアンスですが、間違って覚えている人も多いので注意してください。似たような言葉として、加減乗除がありますので、紹介しておきます。
足し算のことを「加法」と言います。
引き算のことを「減法」と言います。
掛け算のことを「乗法」と言います。
割り算のことを「除法」と言います。
これら4つの計算のことをまとめて、四則演算または加減乗除と言います。
「和・差・積・商」という用語はいつ習うのか?
足し算や引き算は、小学校1年生で学習しますが、和や差の用語は出てきません。学習指導要領によると、小学校4年生でこれらの用語を学習することになっています。学習指導要領について知りたい方はこちらを参考にしてください。学習指導要領とは何か?:文部科学省
余談ですが、小学校4年生では「整数の除法」という単元で
(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り) ただし、(余り)は0以上で(割る数)より小さい。
を学習します。余りについては
(割られる数)÷(割る数)=(商)…(余り)
の印象が強いかもしれませんが、高校生以上になると「(商)…(余り)」という書き方をすることはほとんどありません。その理由として「…(余り)」というのは数式ではないので、変形処理ができないからです。また、負の数の整数や整式の場合に拡張できないからです。小学生のうちから余りを表す式として
(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り)
の形を意識できるとあと伸びにつながります。
「和・差・積・商」は覚えておく必要があるのか?
小学校4年生で学習する際は、「言葉なんか覚えなくても計算ができればいいじゃないか」や「言葉の意味が数学のテストに出ないから不要」と思ったり、誰かに言われたりするかもしれません。しかし、「和・差・積・商」という言葉はその語も頻繁に使われる言葉です。特に中学校以降になると、解法の解説や問題文の中に当たり前のように出てきます。出てくる度に「何だっけ?」となっていれば学習に支障が出るので、この機会に確実に覚えておきましょう。
算数・数学に対して、「計算ができればいい」「答えが出ればいい」「解ければいい」と考えている人が多くいますが、用語の意味を正しく覚えておくことは重要です。用語の意味や定義といった前提が、正しくないといくら論理が正しくても最初から破綻していることになります。
「和・差・積・商」が出てくる小学校4年生が、用語や定義の正しい理解を意識し始める時期だと言えます。
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